2012年01月23日

工房通信2012.2-3月号

今日は旧暦のお正月。
今朝メールで届いた「地球暦 惑星通信」によると、

今日の新月から、旧暦の“睦月”がはじまります。

元旦に“明けましておめでとうございます”という、あいさつをするのは、
“日=太陽”と“月”が重なる新月、“日+月=明”の時であり、
日と月が“結び”ついた“睦月”のはじまりが、目出度いからです。

月を元にした一年のはじまりの日、今日が『元旦』です。

今日は、太陽と月が同時に昇り同じ位置にある新月の時です。
呼吸を整えて太陽と月に意識を合わせましょう。

とのこと。

#チームちきゅうれき 杉山開知 (c)HELIOSTERA 2012
配信設定は http://www.heliostera.com/

みなさま、いかがな新年をお過ごしでしょうか。

さて、いつものように、はしかけニューズレターの原稿を使って、
近江昔くらし倶楽部の活動報告&予定をお知らせいたします。

以前は「工房通信」と題して印刷物として作っていたのですが、
最近は編集作業がおっつかなくなり、こうしてブログにアップするのみになってますが、
今後は、これを「工房通信」と呼びたいと思います。

では、前置きが長くなりましたが、工房通信をどうぞ!

 ×  ×  ×

近江昔くらし倶楽部     【活動報告日の活動会員数(のべ)  117名(内子ども27名) 】
グループ代表アドレス:mukashi@lbm.go.jp(連絡・お問い合わせはこちらへ)

私ごとですが、年明け早々、大津市葛川の自宅でNHK BSのCOOL JAPAN
という番組の取材を受けました。外国人がクールだと感じる日本独自の文化やグッズに
ついて発掘し、その魅力と秘密を探るという番組で、
我が家の五右衛門風呂に巨体のスロバキア男性が入り、我々家族も(ヤギも)
取材されました(放映予定はBS1、2月25日(土)午後6時~6時44分。変更もあり)。
連れ合いのブログを見て、12月に取材の問い合わせがきたのでした。

すると、今度は、近江昔くらし倶楽部のブログを見て、
NHKの全国放送の某番組から問い合わせの連絡がありました。
7月の開館15周年イベントのときに「はしかけオープンハウス」として行った
「冨江家のくらし案内ツアー」の内容を詳しく知りたいとのこと。
http://lbmmukashi.shiga-saku.net/e646211.html

昔からの生活の知恵と工夫をこれからに活かすことをテーマに情報を探しているとのことで、
電話で長話をしました。その後さっそく、昨年分担執筆して刊行された
『里海の自然と生活』(みずのわ出版)の中で紹介した冨江家のくらしについての原稿を、
出版社の許可を得て、近江昔くらし倶楽部のブログに掲載しました。
http://lbmmukashi.shiga-saku.net/e729964.html

インターネットで見られるようにしておけば、探して見てくれる方は見てくれて、
遠くからでも反応をくれて、自分の活動に活かしてくれる。驚きと喜びを感じました。

今までは、はしかけ会員を対象として行ってきた昔くらしの実践を、
来年度からは一般の参加者にも広げることにしました。
「おうみ昔くらし探検塾」という体験講座のような場を年間6回設けます。
第1・2回は、5月と7月に「冨江家のくらしから学ぶ」と題して、
展示室の案内をしたあと生活実験工房の紹介と昔くらしの活動を行う予定です。
近江昔くらし倶楽部とも共催で行い、はしかけ会員のみなさんにも先輩として
ご協力いただけたらと思っています。

2012年新しい年も、みなさんとともに楽しく活動できたらなあと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします!

【活動報告】

■工房を楽しもう!
* 12月21日(水)、1月18日(水)、(のべ参加者6名)
 それぞれ手仕事に励み、休憩時間にSさんが仕込んだ米こうじで甘酒をいただきました。
自然な甘さが身体にしみ入りました。
甘酒用は50~60度の高めで発酵させ、糖分を高くするそうです。

□工房の田んぼ行事(+旬の味をわかちあう会)
* 11月13日(日)(参加者18名(内子ども5名)) 収穫祭
* 12月23 日(祝・金) (参加者30名(内子ども8名)) もちつき
* 1月15日(日) (参加者25名(内子ども6名)) どんど焼き、漬物づくり

■わくわく探検隊「博物館でスゴロクをしよう~生活実験工房を中心に~」
* 1月14・15日(土日)(参加者15名(内子ども6名))
はしかけグループ「びわたん」とのコラボ企画で、工房の周りで
「先人の知恵に脱(←ダツ(「たつ」にかけて)帽です」というタイトルで
15のコマを回るスゴロクを行いました。

■古民家くらし体験(お馬と畑・奥加河荘)
*11月8日(火)(参加者3名) *12月8日(木)(参加者5名)
縁のあった方々が集い、自然の中の生き物たちを眺めながら、
暮らし方や生き方についての話がはずみました。

■古民家くらし体験(葛川かや葺きの家)
*11月15日(火)(参加者10名(内子ども2名))
繕いものをしながら地元の保育園のお母さん方や街の方々と地元の方との
交流がはずみました。タッチフォーヘルス健康法の体操もみんなでやりました。
*12月6日(火)(参加者5名)
地元の保育園でついたおもちの差し入れがありました。
地元の方の指導で、布草履づくりもできました。

【活動予定】
 特に明記しているもの以外は、申し込み不要、参加費無料です。必要なものはみんなで持ち寄りましょう。
(◆は他団体主催の行事です。)

■工房を楽しもう!
* 2月4 日(土)、2月22日(水)、3月7日(水)、 10時~15時、生活実験工房にて。「織姫の会」同時開催。
自分のやりたい手仕事を工房に持ち込んでみんなで楽しみます。
(ヨシ笛づくり、綿繰り・糸紡ぎ、野草採集・加工などなど)
学びあいの会もできます。心と体の整え方、暦や暮らし方など、互いに学びあいましょう。
学びたい、教えられるテーマ募集!
(合氣道・新体道、呼吸法、ゆらし整体、タッチフォーヘルス、地球暦など)
 ※2月4日はゆめおーれ勝山(福井県)の方々が来られます。

□旬の味をわかちあう会(工房の田んぼ行事 連動企画)
10時から、生活実験工房での田んぼ行事のあと、持ち寄り食材と屋外展示の作物で
季節の味を楽しみます。
(昔のくらしから学んで、生ゴミは土に帰す。「立つ鳥あとをにごさず」で。)
* 2月12日(日) わら草履づくり  * 3月18 日(日)一年の振り返り・大掃除

■滋賀の食事文化研究会 学習会
* 2月18日(土) 10時~、生活実験工房にて
 「野菜の乾物」をテーマに、食事文化研究会の学習会を共催で行います。
エプロンと参加費(実費)が必要です。

■古民家くらし体験(お馬と畑・奥加河荘)
 馬と鶏、犬猫を一緒に放し飼いにしている大津市大石富川のYさん宅を訪ねて、
田畑や家の作業をしたり、改装した古民家の空間を楽しんだりします。
*3月13日(火)、11時~14時半(お弁当持参) 参加希望の方は中藤まで。

■古民家くらし体験 (葛川かや葺きの家)
糸づくりや繕い物、ヨシ笛・草履などの細工づくりなど、
古民家の空間に手仕事を持ち込んで、みんなで楽しく作業しましょう。
* 3月6日(火)、 10時半-15時 葛川かや葺きの家にて(大津市葛川坊村町)

■特別研究セミナー「人は博物館でどう癒されるのか」
* 2月21日(火)、13時30分~16時50分、博物館セミナー室にて
 私も参画している共同研究に関連する研究交流会です。
博物館の利用者、企画運営者、学芸員の立場から三人の方にお話しいただき、
それをもとに「博物館で人はどんなときにいやされるのか」、
ざっくばらんな意見交換をしたいと思っています。
参加申し込み不要ですので、興味のある方はぜひお越しください。
<昔のくらしって癒されますよね~>
 
◆浜大津こだわり朝市
* 2月19日(日)、* 3月18日(日) 毎月第三日曜、8時~正午、京阪電車浜大津駅、改札出てすぐにて
生産者と消費者の顔のみえる関係づくりを目指して、8年の実績のある朝市。
たくさんの手仕事に出会える貴重な機会です。2月19日が第100回目です。
※問い合わせ先:浜大津朝市運営委員会 暮らしっく広場 TEL.077-524-7826(金土日)、077-533-1941(月~木)

◆仰木里山暮らしの木工市
* 2月26日(日) Wood Gallery 別荘工房(大津市仰木7丁目 1-10)にて
里山の工房で、木材や木工品、そして職人さんに触れ合える貴重な機会です。
※問い合わせ先:暮らしの木工市実行委員会 電話 077-525-4097(端材工房内)

 ×  ×  ×  

Posted by なかてぃ at 14:31Comments(0)TrackBack(0)工房通信・活動予定

2012年01月08日

「近江昔くらし倶楽部」の取り組み

『里海の自然と生活』では冨江家のくらしの紹介の続きに
「近江昔くらし倶楽部の取り組み」についてもまとめているので、
その部分もここに掲載いたします。

#快諾くださったみずのわ出版さまに感謝します!

 ×  ×  ×

5 おわりに-「近江昔くらし倶楽部」の取り組み

こうした冨江家の展示を含め、近江の伝統的な暮らしぶりを調べていくうちに、
そこには現代の暮らしでは忘れ去られた合理性があることに気づかされる。

それは、自然の理にかない無理がなく、無駄にしない(ゴミの出ない)、
身近なもので成り立たせる暮らしぶりである。

そこで、こうした「かつて」の暮らしから学び、実際にその断片を体験して、
「いま」の暮らしを見直して、「これから」の暮らしに役立てていくことを目的に、
はしかけグループ「近江昔くらし倶楽部」を立ち上げて活動を進めている。

琵琶湖博物館には、地域の人々が博物館で
自分たちの活動を自発的に行うことができる「はしかけ制度」があり、
うおの会、ほねほねクラブ、たんさいぼうの会、湖をつなぐ会、里山の会など、
15のグループが活動している。

「近江昔くらし倶楽部」はその内の一つである。


活動の主な舞台は、琵琶湖博物館の屋外展示にある「生活実験工房」という
民家風の建物と田畑・森(写真9)。



生活実験工房は、囲炉裏、かまど、土間、和室といった伝統的な日本家屋の
しつらえとともに、水道・ガスやエアコンも完備している現代住宅であり、
「かつて」と「いま」を比べるには絶好の建物である。

ここを拠点にして、滋賀の伝統作物など田畑で栽培し、
昔ながらの道具を使って、伝統的な加工方法で衣食住の暮らしの断片を再現している。

田んぼでは羽二重餅とシシクワズを苗代づくりから栽培、収穫して脱穀まで行い、
餅つきやワラで注連飾り・草履づくりも行う。

畑では、和棉、青花、藍などの染織素材を栽培し、藍染木綿の復元製作を行ったり、
山田のねずみ大根、矢島かぶ、日野菜などを栽培して漬物を作ったり、
さらに、森の中で柴刈りをして工房での煮炊きに使ったりもする。

意欲ある大人・子ども、専門家の力合わせながら、冨江家から学び、
こうした小地域循環型の暮らしを少しずつ実験的に進めている。

今回の琵琶湖での採藻調査の結果も、ぜひ「近江昔くらし倶楽部」の活動で活かしてみたい。

生活実験工房のすぐ先が琵琶湖であり、大変都合がよい。
自然農法をやっている方から琵琶湖の水草は肥料として使いよいと聞き、
試しに自宅の菜園で使ってみたら、分解の早さも適当で、
陸の草のように雑草が芽吹くこともなく非常に使いよかった。

こうした体験活動の積み重ねが、参加者の価値観や意識を変える
大きなきっかけになっている手ごたえを感じている。

今後も活動を継続していくことで、あるもので成り立たせる技や工夫、
道具を修理しながら使い続ける知恵、無駄なことを避けて無理をしない姿勢、
みんなでわかちあう心が育まれ、自然と共生する暮らしが実現できたらと願っている。

最後に蛇足だが、
この工房に隣接したトイレには、世界の尻ふき具の展示がある。

琵琶湖の水草を尻ふき具として使った話は聞いたことがないが、
トイレの各個室に、トウモロコシの皮など世界中のいろんなトイレットペーパーの
代用品の展示がされている。

日本のトイレの歴史や世界のトイレの工夫の展示もあるので、
来館の際はぜひ足をのばしてみてほしい。

 ×  ×  ×

【出典】
印南敏秀編,『里海の自然と生活-海・湖資源の過去・現在・未来』,みずのわ出版,2011
http://www.mizunowa.com/book/book-shousai/satoumi2.html

Ⅱ 湖・海の藻の過去・現在・未来
五 琵琶湖の水草利用と生活世界-多様な既存資料と琵琶湖博物館の紹介から
中藤容子
のうち271-273頁を抜粋  

2012年01月08日

近江昔くらし倶楽部の活動の原点・冨江家のくらし紹介

琵琶湖博物館の常設展示「農村のくらし」コーナーは、
われわれ近江昔くらし倶楽部の活動の原点です。

彦根市本庄町の冨江家を移築し、昭和39年5月10日の様子を
忠実に再現したこの展示からは、
水道がなかったころの
自然の理にかない無理がなく、無駄がなく、全てを活かしきるゴミの出ないくらし
の様子がよくわかります。

このブログで、その様子を詳しく紹介しようと思いつつ、できずにいましたが、

昨年、みずのわ出版より刊行された『里海の自然と生活』の中で
私が分担執筆した原稿を、ここに掲載して、紹介することにしました。

#快諾くださったみずのわ出版さまに感謝します!

新しい年を迎えて、気持ちも新たに
「かつて」から学び、「いま」を見直し、「これから」を創る
近江昔くらし倶楽部の活動を進めていきたいと思います。

みなさま、どうぞ、よろしくお願いいたしますね!

 ×  ×  ×

4 琵琶湖の生活世界-琵琶湖博物館「農村のくらし」展示から-

「里湖」を考えるときに大切なのは、
人間が自然の中に住まわせていただいているという意識で、
地域にあるものを資源と認めていかに持続的に活用していくかという技と工夫である。

2,3では、琵琶湖水域での採藻・採泥の様子をさまざまな資料から断片的に紹介してきたが、
ここでは、琵琶湖地域で育まれた小地域循環型の暮らしの一例として
琵琶湖博物館「農村のくらし」展示を紹介し、
「里湖」での人々の意識や暮らしの技・工夫を知る一助にしたい。

昭和39年5月10日午前10時、彦根市本庄町 冨江家の暮らしぶり

琵琶湖博物館の常設展示にある「農村のくらし」展示コーナーは、
彦根市本庄町にある冨江富吉さんの家屋を移築し、
昭和39年(1964年)5月10日午前10時の状態を忠実に再現した展示(写真2)である。



琵琶湖の北東に注ぐ愛知川下流部右岸の稲作地域の「水道がなかった頃の暮らし」
の実例を見せるという意図で製作された。

母屋だけでなく、生活用水を得る洗い場であるカワヤ(川屋)も実際に水を流した状態で展示し、
隣接するワラ小屋、汲み取り便所・灰小屋、鶏小屋も含めて再現している。
野菜を洗って包丁で刻む音や鶏の鳴き声など、効果音にもこだわっている。

この当時の冨江家は、前年に息子さんが結婚され、赤ちゃんが生まれたばかりであり、
老夫婦と若夫婦を含めて5人で暮らしている。

冨江家の水は、母屋の庭先の川屋(カワヤ)のヨコにある自噴水から
水槽へ流しためたものを使う(写真3)。



水槽は二つあり、自噴水から直接流れ込む一番目の水槽、
そのあふれた水が二番目の水槽へ流れ、さらにあふれた水は、
隣の家から流れる愛知川の伏流水の水路へと流れ、さらに隣の家へと流れていく。

飲み水は、一番目の水槽から汲んだ水をカメの中に炭を入れた水こしでこして、
母屋の囲炉裏の横にある水がめにいれて使う。

口すすぎは一番目の水槽、お茶碗は二番目の水槽、泥のついた野菜は水路と、
用途に応じて使う水場を変える。

水路にはコイが飼ってあり、水路で洗ったお釜や鍋の汚れ・ご飯粒などを食べてくれる。

水路の下流には柵が設置され、野菜屑の大きなものなどはここで引っかかり、
隣の家まで流れないよう工夫されている。ここで集めたものは、鶏のエサになる。

川屋に置いてある真新しい洗濯機は結婚祝いとして親戚から贈られたものだが、
水道のないと使いにくいので、洗濯は、タライにカワヤの水をくんで洗濯板で行った(写真4)。



汚れがひどいときは、石鹸や灰部屋の灰を洗剤として使った。
おむつなど、下のものを洗った水は、水路を汚さないよう小便だめに流した。

庭先の川屋の続きにはワラ小屋がある。

近隣に里山がないこの地域では、燃料の主役はワラであり、
風呂炊きも炊事もワラで賄わなくてはならなかった。

その隣に別棟で灰部屋と汲み取り便所がある(写真5)。



風呂やかまどの灰も灰部屋に移し、洗濯や田畑の肥料として使われた。

東南の隅に立地する屋外の便所は大便専用で、
床下にためた便が発酵しやすいよう工夫されている。

発酵させた便は手前の汲み出し口から柄杓で肥桶にくんで、
天秤棒で畑へ運んで肥料として使った。

母屋の玄関を入ると、すぐ右手に桶風呂が見える(写真6)。



この桶風呂は、県内の湖北・湖東地方に特有の形態で、
沸かすお湯の水量が少なく半身浴だが、桶内に蒸気をためて全身を温めることができる。

この桶風呂は限られた燃料を効率よく使うための工夫の産物である。

さらに燃料を節約するため、風呂の水は、
晴れている日に水場でくんだ水をたらいなどに薄くいれて、
太陽熱であたためて使っていた(ヒナタミズ)。

この風呂は冨江家にとってステータスシンボルであり、
風呂を沸かすと、風呂のない近所の方々が入りにきたという。

たくさんの人々が続けて入ったあとの残り湯もバケツに入れて展示されている。
この残り湯で雑巾を絞って、桶風呂や木の床を磨いたのだ。

使ったあとは小便とともに床下の小便だめにためる。
小便器は風呂の横にあり、男も女も使った。
小便だめにたまったものは、2~3日に一度、
玄関横の汲み出し口から汲み出して肥桶に入れて畑に運んだ。

土間を奥に進むと、左手にかまど(オクドサン)が見える(写真7)。



炊事は、この三口のかまどと一口のガスコンロで行った。

ちゃぶ台に並べられた料理は、
愛知川でとれたビワマスの煮魚、畑でとれた野菜の煮物とみそ汁、漬物など、
素材の自給率は高い。

食事に使う自分の食器は、飯台の自分の膳箱に入れて、食事の際に自分で取り出し、
使い終えた後は、きれいに平らげて最後にお茶をかけて、
洗うようにして飲み干して、自分の場所にしまった。

燃料のワラは、一旦、屋根裏のツシで乾燥させたものをワラ小屋に運び、
そこから風呂やかまどの近くにある燃料置き場に置いて使っていた。

水がめの水や燃料置き場のワラを補給するのは子どもの仕事である。
子どもは家事の担い手として大切な存在だった。

また、座敷の前栽にお地蔵さんが祀られたり、
かまどの近くに愛宕さんのお札が貼ってあったり、あちこちに神仏が祀られている。

展示室内の水路の上流をたどっていくと、
その水源には注連縄のある大きな岩と小さな祠が展示されている(写真8)。



人々はここに水神を祀ることで、水の源流を大事にすることを伝えている。

昭和39年、冨江家の人々は、麦わら葺の伝統的な家屋でこうした暮らしをしながら、
ちゃぶ台の近くのテレビで流れるアメリカのホームドラマのような暮らしにあこがれていた。

このあと、冨江家は念願の水道をひき、洗濯機で洗濯をするようになった。
初めは洗濯水を小便だめに流していたが、すぐにいっぱいになり、
周りの家も洗濯水を水路に直接流すようになったため、水路に流すようになっていったという。

その後、現在に至る生活の変容ぶりは、みなさんご存知のとおりである。

 ×  ×  ×

【出典】
印南敏秀編,『里海の自然と生活-海・湖資源の過去・現在・未来』,みずのわ出版,2011
http://www.mizunowa.com/book/book-shousai/satoumi2.html

Ⅱ 湖・海の藻の過去・現在・未来
五 琵琶湖の水草利用と生活世界-多様な既存資料と琵琶湖博物館の紹介から
中藤容子
のうち265-270頁を抜粋  

Posted by なかてぃ at 15:18Comments(0)TrackBack(0)冨江家のくらし

2012年01月06日

脱原発世界会議へのメッセージ(辻信一さん)

今朝、読んだfacebookの辻信一さんの言葉が心に響いたので、
ここにも掲載しておきます。
(なぜかfacebook上でShareできなかったもので)

Keibo Shinichi Oiwa Tsuji
http://www.facebook.com/profile.php?id=1050224097

脱原発世界会議(1月14日~15日、横浜)へのメッセージ

別れの時だ。

自販機や温水トイレや電気ポットなしでは生きていけないと思っていた自分と。
原発がクリーンエネルギーだと思っていた自分と。
人間のことばかり思って、他の生きものを忘れていた自分と。
陸ばかり見て、海のことを見ずにいた自分と。
国益ばかり思って、他国の人たちを無視していた自分と。
都市のことばかり思って、田舎のことを忘れていた自分と。
自分たちのことばかりで、未来の世代のことを考えずにいた自分と。
経済のためにはもっともっと石油と原発が必要だと思っていた自分と。
チェルノブイリも水俣もどこか遠くのことだと思っていた自分と。
自然より、愛より、大切なのはお金だと思っていた自分と。
何があっても自分だけは大丈夫だと思っていた自分と。
無力な自分に社会を変えることなどできないと思っていた自分と。

そんな自分よ、これまでありがとう。そして、さようなら。
新しい自分と歩きはじめよう。 

辻信一

Message to the Global Conference for a Nuclear Power Free World
(January 14-15, Yokohama)

Time to say goodbye to the old self.
I who believed I couldn’t live without vending machines, hot water, toilets and electronic kettles.
I who believed nuclear power plants produced clean energy
I who only cared about us human beings and forgot about other forms of life
I who only looked at land and not the oceans
I who was concerned about national interests and neglected people in the other countries
I who only thought about cities and overlooked the countryside
I who was preoccupied with myself and blind about the future generations
I who was convinced that more oil and nuclear power plants were needed for economic growth
I who somehow thought Chernobyl and Minamata were somebody else’s problems
I who preferred money over nature and love
I who was confident that after everything, nothing would happen to me
I who regarded myself as powerless to have an impact and change societies
I thank but say goodbye to my old self.
And I start walking with my new ‘self’.

keibo  

Posted by なかてぃ at 10:38Comments(2)TrackBack(0)

2012年01月04日

新年のご挨拶

みなさま、お正月はいかがお過ごしでしたでしょうか。

私は、今年も連れ合いの実家、山梨で、家族揃って年始を迎えることが
できました。ありがたいことです。

琵琶湖博物館は昨日よりオープン。
7日よりギャラリー展示「民具を科学する」が始まります。
http://www.lbm.go.jp/tenji/ex_kikaku/gallery/g_20120107_mingu.html

本年もどうぞよろしくお願いいたします!

<以下は、遅ればせながら年賀状です>



 昨年は公私ともに、日本・世界にわたって激動の一年でした。
みなさまとともに新しい年を迎えられること、
心よりうれしく、感謝しています。

 4月より始めた湖西の山間地域の古民家ぐらし。
我が集落は寛文近江・若狭地震350回忌を迎え、
長男は地元の若者として葛川明王院の太鼓廻しに参加。
保育園・小中学校の子どもは40名足らずで
運動会や文化祭は学校と地域合同。
地域の歴史と底力を感じながら、毎日楽しく暮らしています。

 来たる年もご縁をつなぎながら生き尽くす覚悟です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。  

Posted by なかてぃ at 19:22Comments(0)TrackBack(0)なかてぃのくらし