勇気づけられたこと 2005年08月10日04:32

なかてぃヨーコ

2024年01月03日 15:21

「8月8日、美術教員の研修会でワークショップをしてほしい」
と言われ、詳しいことは分からぬまま、綿からの糸紡ぎセットを携え、
会場のMIHO MUSEUMに向かった。

出番は午後から。午前中は報告会があるので参加してほしいとのこと。
その報告がとにかくすごかった。

野洲市の篠原小学校の馬場校長が昨秋、MIHO MUSEUMの尾形乾山の陶芸展を見学。

「これを6年生の卒業製作に活かしたい」と思い、
夜の10時に畑中学芸員に電話をしたことではじまった
美術館と小学校の協働事業。

それに関わった人々が舞台に7名集い、まずは活動をまとめたビデオを鑑賞した。

乾山の展示を子供達が見学。
学芸員の話を聞きながら、自分の気に入った作品をスケッチ。

翌日、プロの作陶家、絵付師の指導のもと抹茶茶碗や角皿、花入れなどを製作。

さらに、MIHOの近くに昨年オープンした秀明自然農法ネットワークの茅葺き屋敷で
かまどで炊いたご飯と味噌汁を食べる。

茶室では、武者小路千家の講師の指導で自分たちの作った陶器で
お茶とお菓子をいただく。
花もいけ、自分でお茶もたてて互いにふるまう。

卒業文集には子どもたちの発案で「乾山特集」が設けられ、ひとり一人の作品の写真と感想文も掲載された。

ビデオの後、学芸員が司会しつつ、
校長、絵付師、茶道の講師、自然農法担当が活動の裏話をざっくばらんに話していく。

それぞれの担当者自身が、改めてこの活動のすばらしさに
気づいていく過程をライブで見ながら、
その発見をわれわれ参加者と共有できたことに気づいて身震いした。

その筋のプロが口々に
「真剣に取り組む子どもたちから学ぶものがあった」と、語っていたのも印象的だった。

乾山の作品の心を写し取った子どもたちは技術がないのにその心を表現することを求めたという。
「ふつうでは絶対に教えない技法も教えた」そうだ。
一日かけて自分の中のすべてをこめつくした市松模様の茶碗。
それを作った子の将来を楽しみに思う絵付師。

馬場校長は”すべてに「ほんもの」を目指した”
”「ふるさと」が大切だ”と語られ、激しく同感した。



私は、この報告を聞いて、大いに勇気づけられた。

うちの博物館にくる子どもたちは、集団で走り回り叫びまくりモノを壊す。
露出展示している漁網の穴を繕いながら、いたたまれない思いでいっぱいになる。

しかし、ビデオの中の子どもたちは、音を消したのではと思う程、静寂になる時間があった。

真剣にスケッチしているとき、お茶をいただいているとき。
「ほんもの」から聞こえてくる声に真剣に耳を傾けるなら、あんなことには決してならないはずだ。

この美術館では、この「ほんもの」の声を聞く体験を子どもたちにする取り組みをしているのだ。

佐川美術館でも、ある学芸員が自分の学芸員生命をかけて、こうした取り組みをやっているそうだ。

久しぶりに話した知人から今日の夜、その話を偶然聞いた。

これらの活動を応援しているのは、内部の人々でなく、外部の人々。
でも、外からの力で内部も変わることができたという。
それを聞いて、心の中でストンと落ちた。



 ...今日は朝から館長に罵倒された。

避けてきたが避けてはならないとすでに気付かされていた(OSHOの禅タロットで)ので、
「こうきたか」と思いつつ、感情を抑えて抑えて受け入れた。

感情的に言葉を吐き捨てなくてはならなかった彼が気の毒に思えた。
あんな彼と直接関わるのは私の役目ではないと感じた。
どうするべきかと思ったら、答えはやってきた。

外からの力を信じてみよう。私は私のやるべきことをやればよいのだ。


以上、レイキと出会ってからの奇跡の一シーンでした。


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