<はしかけ「近江昔くらし倶楽部」を中心とした屋外展示・生活実験工房での活動をご紹介しています。>
琵琶湖博物館、nakatyです。
突然ですが、みなさん、滋賀県には”2030年に二酸化炭素排出量を半減する
社会を実現する”という目標があるのをご存知ですか?
そのために、半年前から琵琶湖環境科学研究センターで
「滋賀をモデルとする自然共生社会の将来像とその実現手法」という研究が
行われています。今後3年間で成果をまとめます。
このメンバーに、ひょんなことから、私が加わることになりました。
研究代表者の内藤正明先生が「現在の半分の排出量だった昭和40年ごろの
滋賀の暮らしぶりを具体的に知りたいがどうしたらいいか」と困っておられたところへ、
「昭和39年5月10日、彦根市本庄町の冨江冨吉さんの住まいを忠実に復元した
展示がありますよ」とお答えしたのが、きっかけでした。
話はとんとん拍子に進み、農村のくらしコーナーにある「かつて」の冨江家の
二酸化炭素排出量を算出して、「いま」の冨江家と比較し、
さらに2030年の「これから」の住まいもみんなで創ってみよう!ということに
なりました。面白い話だと思いませんか?
「かつて」から学び、「いま」を見直し、「これから」をつくる・・・
これは「近江昔くらし倶楽部」の活動の原点です。
ぜひとも、この研究作業をはしかけ活動と絡めながら、関心のあるみなさんと
一緒にやっていきたいと思っています。
■3月8日 工房田んぼの作業・行事(こんにゃく作り)からの教訓
こんにゃく作りを終え、持ち帰ったこんにゃくを一口食べて口の中がピリピリ。
あくが残っていたのです。過去に数日声が出なくなったときのことを思い出し、
慌てて、ほかの方々に問い合わせました。美味しく食べた方もたくさんおられ
ますが、違和感を感じ食べなかった方もいました。食べて被害を受けた方は
いらっしゃらなかったようなのでほっとしています。
ほんとうに申し訳ございませんでした。
この違和感は、硝酸ナトリウムの針状の結晶が粘膜に突き刺さっている
もので、「酢」で溶けます。里芋でかゆくなるのも同じで、酢水につけるのは
理にかなっています。
そもそも、この、あくや毒は、野生の植物が他の動物に食べられにくく
するための生き残り策で、植物にとっては必要不可欠のものです。
ですから、野生の植物を食べるときには、人間の知恵であくや毒を
取り除く必要があります。
そんな当たり前のことを、われわれは忘れがちです。
また、春の野草の苦味は、身体を春の仕様に変えるきっかけを与えてくれる
そうです。工房での昔くらしの活動に参加される方がこうした感覚を呼び覚まし、
周りに伝えていただけることを願っています。
【5.6月の活動予定】
■工房を楽しもう!
やりたい人の気持ちと力を合わせ、四季折々の作業を生活実験工房に集って
楽しく行います。
(工房田んぼの作業・行事は、工房担当、硲さん(hazama@lbm.go.jp)の担当)
*5月12・13日(火・水) 10時~ 茶つみ・製茶、里芋・こんにゃく芋の植え付け
*5月17日(日) 10時~、田植え(工房田んぼの作業・行事)
*6月20日(土) 10時~、田んぼの草取り・生き物観察(工房田んぼの作業・行事)
午後 廃油・虫除けキャンドルづくり(空缶、廃油、廃油凝固剤を持ってきてください)
□作ってみよう・滋賀の味(第2回):滋賀の食事文化研究会・協力
材料を持ち寄り、近江の旬のわかちあいを楽しみましょう。
マイお箸・茶碗・お皿持参です。
*5月30日(土)10時~15時 生活実験工房にて
工房畑で収穫する新玉ねぎと、季節のお豆を使った料理を作りましょう。
小豆の育て方講習会も行います。
みんなで収穫したお豆を使ってあんこを作るのが目標です。
<予定メニュー>
・豆ご飯 ・緑のぼたもち(グリンピースあん)・新玉葱と花鰹のサラダ
・玉葱の酒粕漬け(晩秋のころまで保存) ・ぬかのふりかけ ・お味噌汁
<必要な材料>
お豆、砂糖、中ザラ糖、塩、酒粕、花かつお、マヨネーズ、人参、きゅうり、
花鰹、その他季節の野菜など(手に入るものを持ってきてください。)
□住まいの小学校(第1回):木考塾・協力
*6月7日(日)13時半~16時半 生活実験工房にて(木考塾 木村敏さん報告)
テーマは「住まいの今から暮らしを考える」。工房に関心のある方が集い、
木考塾の方から、実際 に建てた住まいについて、いかに考え、いかに作り、
そしていかに住んでいらっしゃるのかを報告いただき、それをもとに参加者
みんなで住まいと暮らしを見つめなおしてみようという企画の第1回目です。
企画展示室の「百年前の大震災-姉川自身に学ぶその備え-」展示最終日。
生々しい災害写真や地震のしくみ・防災の取り組みの展示(無料)です。
早めに来館され見学をおすすめします!
■お蔵探検
*5月20日(水)? 彦根市石寺へのお蔵探検(詳細未定)
琵琶湖環境科学研究センターの自然共生社会の研究メンバーである
県立大学の鵜飼修先生と一 緒に行きます。お蔵の民具を救出に行きます。
参加希望の方はお問い合わせください。
■おうみ未来塾10期生「おうみこっとん夢つむぎ」への協力
田舎体験旅館「みずほの郷」を営み、和綿を栽培しておられた澤さんが、
このたびおうみ未来塾の方々と和綿の布作りを手がけることになりました。
地元のお年寄りや作業所さん、県立大学の稲枝コットンプロジェクトとともに
協力します。
*5月5日(火祝)10時~15時 彦根市下岡部町公民館横にて
綿の種まきイベントを行います。
我々は、午後、綿からの糸紡ぎの実演・体験のお手伝いをします。
■近江はたおり探検隊
*織姫の会:10時~15時 生活実験工房にて
5月9日(土)・5月27日(水)・6月6日(土)・6月17日(水)
・7月4日(土)・7月22日(水)
*研究会:5月21日(木)13時~16時 琵琶湖博物館セミナー室にて
・話題提供:「糸と織りをめぐる湖北・長浜の歴史文化」
(長浜城歴史博物館 橋本章さん)
2010年1・2月に開催される特別展「糸の世紀・織りの時代」に関する内容です。
・活動紹介&交流会
県内各地の織物業に関わる方々にも活動紹介していただきます。
お茶を飲みながら交流し、これからの夢を語り合いましょう。