11月27日、新党「日本未来の党」を立ち上げた嘉田由紀子知事が
昨夕、県職員一人ひとりに向けて、
「私の思いについて」と題した電子メールを送ったようだ。
私あてに届いた彼女の思いを覚えとしてここに掲載しておく。
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Subject: 私の思いについて
Date: 28 Nov 2012 16:58:00
from 知事 嘉田由紀子 :
職員の皆さんへ
このたびの私の行動について、職員の皆さんにご説明したく、メールを送らせ
ていただきました。
私は、中央集権体制を変えなければ日本の未来はないと考え、知事としての仕
事をしてまいりました。ダム問題に象徴されるように、必要性の低い大規模公共
事業に巨額の税金を入れ、現世代につけまわしをしてきた旧体制を変えるための
挑戦を、職員の皆さんと共に、県政として実現してまいりましたが、国政はなか
なか変わりません。
また、地域主権改革を目指して、関西広域連合としても改革を引っ張ってまい
りましたが、これも霞ヶ関などの抵抗により未完のままです。
原発事故の潜在的リスクが最も高いのは、老朽化した多数の原発が集中立地す
る若狭湾に近い滋賀県、琵琶湖です。琵琶湖は近畿圏1,450万人の命の水源であ
り、その琵琶湖をあずかる知事として、このまま国政にメッセージを出さないこ
とは、これまで琵琶湖を守ってきた先人に対しても、子や孫に対しても申し訳が
立たないと考えてきました。
今回の衆議院議員総選挙は、3.11後初の国政選挙であるにもかかわらず、「原
発のない社会」に向けての議論は不透明で、 国民の期待にこたえられていません。
また、福島の事故は、放射性物質を大気や水中に広げることで地球を汚しまし
た。この重い責任を感じることなく、経済性だけで原子力政策を推進すること
は、国家としての品格を失うとともに、地球倫理上も許されないことです。
地方の首長が国政政党の党首となるのは異例です。二足の草鞋がはけるのか。
県政への影響はないのか、などの疑問をいただいております。確かに1日の時間
は限られており、影響がないとはいえませんが、公務を優先し、知事としての職
務を全うしてまいります。知事協議など、遠慮なく申し入れてください。
県政の最大課題である琵琶湖へのリスクを回避するための仕事は、知事として
の責務のひとつであると考えております。琵琶湖の未来への安心を埋め込むた
め、県政の課題を国政につなげていきたいと思っています。
2012年11月28日 嘉田由紀子
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