2024年01月03日

実家での深い一日 2006年05月03日22:45

昨晩は久々に一人でぐっすりと眠った。(おっぱい攻撃もなく)

朝ごはんを食べ終わると、弟の子どもたちがやってきた。弟夫婦は美容室をやっているので、仕事の日は、私の父母が子どもを見ているのだ。

午前中は、父母と子どもたちとみんなで祖母のお見舞いに病院に行く。
すでに数カ月前から食事は流動食となり寝ているばかりとなっていた祖母に、さらに点滴の管と呼吸や心拍を測定する機械が取り付けられていた。祖母は肺炎を患い、呼吸荒く横たわっていた。

子どもたちと一緒に祖母の手を握ったり、話しかけたりする。
父は自分の母親のそんな姿を見るのが嫌らしく、とっとと病室を後にする。

私は祖母の身体をさすりながら「私はおばあちゃんと一緒に生きることができて本当によかった。ありがとう」と心の中で祈った。思わずポロポロ涙がこぼれた。祖母は看護婦で乳児院の婦長をしていた。退職後は祖父の実家の漁師町に、私と一緒に幼稚園を作るのが夢だったことを思い出した。「ようちゃん」と私を呼んでくれていた祖母の声をふと思い出し涙した。(今でも、その声を思い出すと涙がでる)

足をマッサージしていると自分の足とそっくりなことに気づいた。祖母-父-私と遺伝子が受け継がれていることを再確認した。(顔はそっくりなのだ)

低すぎた血圧もあがり、呼吸も明らかに楽になってきた。
ヘッドと背中にレイキを送る。かなりの手ごたえを感じる。
祖母の眉間になぜか水滴がたまっていた。涙だった。そっと拭いた。

父が待ち切れなくなって私を迎えにきた。
すっかり上がり正常値になった血圧と安らいだ祖母の姿を見て、私は安堵して病院を去った。

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午後、私が子どもたちを連れて公園へ遊びに行こうとしたときに、ふと思い付いて、高校まで住んでいた家の跡地を見に行った。

この家の1階で母は喫茶店を経営し、我々家族は2階に住んでいた。喫茶店は2.3年前に廃業し、この4月に建物を解体したばかり。建物がなくなり更地になっているのを見るのは初めてだった。なんだか、あまりにすっきりしていて、何の感慨も湧かなかった。

そこへ、家の裏のお隣のおばちゃんが通りかかった。多分、お会いするのは実家を出て初めて。「こんにちは」と会釈したら、「あら、久しぶりじゃねえ。どうしょうるん?」と声をかけてくれた。

おばちゃんは十年ほど前に大病をしたそうで、その後は自分の生きる意味を問い直す日々を送っていたらしい。そして、おもむろに私の亡くなった祖父の話を始めた。

お隣のお兄ちゃんは自衛隊に入った。周りに色眼鏡で見られる中、「それは大事な仕事だ」と祖父はおばちゃんを励ましたらしい。今、そのお兄ちゃんは幹部候補生を教える立場にあり、結婚して子どもにも恵まれ、幸せなのだそうだ。祖父の言葉が心の支えになったと。

ああ~、祖父のことをそう評価してくれる人がいたんだなあとうれしく、「おじいちゃんに、そう報告しますね。ありがとうございます」と答えた。おばちゃんは、この話を私にでき、私が喜んでいることをとても喜んでいた。生き長らえた甲斐があったと。

祖父は人付き合い(形式だけの虚礼)を殊更嫌い、変わり者で有名な人だった。いつも本質を見つめて、深い判断をする人だった。

年賀状ですら「虚礼」だという祖父の言葉を鵜呑みにして、私の父母は年賀状をまったく出してこなかったくらいだ。(しかし、祖父は大事な少数の人には年賀状を送っていたことを、死後、残された年賀状を見て私は知った。)

私が産まれると”孫の面倒を見るのが自分の務め(父母は共働きだったので)”だと、それまでやっていた郵便局の仕事をさっさと辞めた。

中学高校の頃、学校から帰ると必ず部屋に呼ばれ、話を聞かされた。数百時間、彼と話をして私が得たものはものすごい財産だと思う。
しかし、彼の話がそんなに価値あることだと気づいている人は私以外にいるように思えなかった。

でも、お隣のおばちゃんは気づいていたんですね。
それを知ることができて、ほんとに私はうれしかった。

子どもたちと公園で遊んで家に帰ってから、私は子どもたちと一緒に仏壇に線香を供え、祖父におばちゃんの話を報告した。

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こうした深い気づきを得て、私は確信をもって、実家を離れた。
連れ合いと子どもたちは、無事、山梨に着いたようだ。

私は、今、やるべきことをやらねばならない。


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