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Posted by 滋賀咲くブログ at

2017年02月05日

二年前の今日、草津市のお蔵作業日記(10)・最終話

日記(9)はこちら

<2015年2月24日 8:28のfacebook投稿より>

みなさん、おはようございます。

昨日は、琵琶湖博物館に行く用事があり、
そこで話が弾んだ聞き書きをやっている若きO学芸員と
いっしょに、草津の解体される小屋のおばあちゃんに、
拡大コピーした新聞をお渡ししに行ってきました。


<2015.2.20付 朝日新聞掲載>

おばあちゃんはすっかりお元気で、新聞を喜んでくださり、
昔のお話がとまらないようす。

聞き書きの話者を探していたO学芸員。
これから、はしかけグループ「暮らしをつづる会」の活動で、
何度かお話を聞きにくることになりそうです。

小屋の方は、足場がかけられ、
屋根瓦はすっかりなくなってましたが、まだ建物はそのまま。
そこにいた作業員さんに
「一階の建具がほしいのですが」と聞いてみたら、
あっという間に外して出してくれました。

ここに毎日通い詰めた末娘も、
「こわされた材料がほしい。新しく小屋をたてるのに使いたい」
と言うので、

今日、明日は、私一人でも拾えるものを集めに、
現場に行ってこようと思います。

みなさんも、よき一日を~!


・・・・・

そして、このあと、このブログで3/5に投稿した記事
「ミラクルな最終報告!」の展開へとつながるのでした。

解体現場へは行けないだろう・・・と思っていた私が、
日々、現場へ足を運び、

解体作業の合間に、一人で床板を外していた時に、
やってきた作業員さんとしばし対話する中で、

実は、今回の現場監督と作業員さんとは、
守山の鍛冶屋さん解体のときに出会っていて、
十数年ぶりの再会だったことが判明。

床板を欲しいと言われる方の改築現場に届けたら、
そこの女大工さんが「土壁がほしい」とのことで、
土壁も確保。

そして、作業現場では、重機を自在に操り、
丁寧に部材を外して繊細に仕分けする様子が芸術的で、
オトコたちの作業姿に見惚れ。

諦めていた立派な丸太梁も、
刻んでもらって、家主のご主人にもお分けして、

車に乗る材は、娘の小屋づくりの材料・風呂の燃料として、
持ち帰ることができました。

そして、ブログの最後に、

「・・・こうして振り返ってみると、
今回の小屋の解体の中で、「これがほしい」とリクエストされ、
その方が諦めなかったものは、

結果的に、すべて手に入れることができた気がします。
(床板も、建具も、丸太梁のかけらも、そして土壁も・・・)

自分の中のちっぽけな世界で思いつくことでどうにかしようとするのでなく、

大きな天・宇宙・世界に委ね、
ご縁あった方々のお心とお力をすべて無駄にすることなく、
最後まで諦めない

ことで、ここまでのことが成ったことに、深く深く感謝いたします。

ありがとうございました!」

と記して、
ほぼ一月の間にのべ80名あまりの方々に足を運んで頂いた
この活動を終えたのでした。
  

Posted by なかてぃヨーコ at 11:36Comments(0)リアル作業日記

2017年02月05日

二年前の今日、草津市のお蔵作業日記(9)

日記(8)はこちら

<2015年2月21日 10:54のfacebook投稿より>

草津市の小屋のこと、すっかりやりきって、何にも出てきません。

昨日、解体工事初日、業者さんが足場を組み始めている中、
夏障子を取りに来られた日野からの女性と最後の見学。

作業の邪魔にならないよう裸電球と黒板だけ取らせて頂いて
(ほしい方がいらっしゃったので)、

2/5の話し合いの場にいた現場監督さんに
一階の建具と床板(がほしい方がいるので)を取ることが
できないか、相談したら「うーん、無理やね」

刻まれた古材を取りにいつ来たらよいか尋ねたら、
「24、25日あたり。出てきた順に出していく、
ためておくことはできない。」とのこと。

それでも、4トンのユニック車と人員を確保して、
できる限りの古材を出して、だめなら燃料にすればよいし
(薪ストーブ、五右衛門風呂に使えるし)

・・・と思っていたのですが、

最後に、ご主人にあいさつをして現場をあとにして、
日野からの女性とランチして、
そのあと、お店の方と話が盛り上がって、
これから新たに始まる楽しい未来のことに気持ちが大きく動き、

帰路についた車中、もう古材を取りにいく意欲がなくなっている
ことに気づきました。

そのあと、古材を取りに来たいといわれていた方からも
「諦める」と連絡が来て、

昨夜寝る前に、ここで、みなさんにどう報告しよう・・・と
思いをめぐらせている間も、全然、やる気が出てこなくて、

いま、こうして正直な気持ちをしたためている次第です。

もし、古材が(刻まれていても)ほしい
という方がいらっしゃたら、24、25日に持ち帰って
頂ける段取りはつけさせていただきますが、

私が段取りして取りに行くのは、もうやめようと思います。

たぶん、解体されている現場を見るのは、
とても辛く、傷つくことで、それがわかっていて
あえて行く気も、・・・やはり起きません。

でも、家主のおばあちゃんに、
昨日写真が掲載された朝日新聞の拡大コピーもお届けしたいし、

山田小学校に運び込んだ民具の写真撮影・目録づくりもしたい
ので、しばらくは現場周辺に足を運ぶことになりそうですが、

次に現地に伺うのは、
解体工事がすべて終了し、更地になったあと、
地鎮祭のときあたりにさせて頂こうと思います。

今回の小屋の解体にあたり、
たくさんの方々のお心とお力を頂けたこと、
改めて、心より感謝いたします。ありがとうございました!

× × ×

さて、今日は、わが集落・葛川のようすを見に、ご家族が来られます。
毎週土曜の午後2時から、うちの近所のNさん宅で、
「かやぶきっさ」という集い・交流の場が開かれているのですが、
それにも参加されます。

「かやぶきっさ」はどなたでも参加できます。
大津市なのに雪のある、田舎ぐらしの様子を垣間見たい方、
どうぞ、お気軽におこしください。
  

Posted by なかてぃヨーコ at 11:18Comments(0)リアル作業日記

2017年02月05日

二年前の今日、草津市のお蔵作業日記(8)

日記(7)はこちら

<2015年2月20日 8:49のfacebook投稿より>

旧暦の新年を迎え、
私の生きるステージが大きく変わった気がします。

今日から始まる小屋の解体工事を、
しずかな落ち着いた気持ちで迎えています。

× × ×

昨日は、はじめましてで来てくださった方々もいっしょに、
小学校の「昔の道具博物館」作りができました。

欠席すると聞いていた、家主のおばあちゃんが
突然、お隣のおばあちゃんと一緒に授業参観に
来てくださることになり、おばあちゃん方を送迎。

体育館の入り口に掲げられた看板の下を入ると、
場内ぐるりと、道具の展示コーナーが並び、
各コーナーで、担当の子ども学芸員の発表。

おばあちゃんたちと一緒に、
ひとつひとつ、学芸員たちの立派な説明を聞きながら、
おかあさん方に、博物館づくりの裏話をお伝えする。

子どもたちとおばあちゃんとおかあさん方と
たしかに、心が通い合い、ふるえあった、そんなひと時。

一時間だけのにわか博物館だったのですが、
終了後、3年生の先生方、今日たまたま集った4人の方々と
ほんとうにやれてよかったなぁと言葉を掛け合えました。


そのあとは、解体工事開始前日の小屋の片付け。

棟木に釘止めされた棟札を取って、家主のご主人にお見せすると、
「これは大事にしときたいなぁ」と収めてくださいました。
(大正期でなく「昭和11年5月上棟」でした~)

「古いものは一切いらない」と言っておられたご主人が
たくさんの方々が遠方からも来られ、建物や古い道具を絶賛し、
「ありがとうございます」と持ち帰る姿をごらんになって、

少しずつ少しずつ、お気持ちも変わられたんだろうなあと。

一緒に片付けした日野の女性とは、はじめましてだったのに、
地球暦のお話し会と原始機づくりを3月にやりましょう!と
盛り上がって別れました。ありがとう~!

× × ×

・・・正直にカミングアウトしますが、
私、強硬突破しようとひそかに思ってたんです。

「天変地異が起きて、小屋の周りだけ明日から8日間、嵐が起きます。
9日目には、すっかりこの小屋がなくなってきれいになっています。」

そう、ご主人にお話しして、移築のための解体工事を
強硬にやってしまおうかと。

予定していた解体工事の工期は4日遅れるけど、
母屋がすっかりなくなっているのだから、地鎮祭には間に合うはず。

この小屋が移築され、そこで新しい形で人が笑顔で集う・・・
それを見て頂けたら、ご主人も最後には納得くださるだろうと。

もやもやした気持ちを大工さんに電話でぶつけました。
「不法侵入で訴えられるのは覚悟してます」という私を、
「無謀なことはしたらあかんで」と優しく力強くいさめてくれました。

気持ちがすっとおさまって、
小屋の二階の掃き掃除してたら、膝がくずれて号泣してました。
2,3分、泣き切って、この日、
私はご主人に強行突破の話をすることなく、笑顔で別れました。

× × ×

そして、昨日、旧暦の新年。
ふと「今回は、予行演習だったのだ」という想いが湧いてきました。

そうか!
今回、移築先もぼんやりとあったのですが、
そこの建設開始は一年後。移築解体はもっと後のほうが都合がいい。

滋賀には、こんな古い小屋は、まだまだたくさんあるのだから、
きっと、一番都合がよく、移築先に最適の小屋が解体できるに違いない。

そして、今回、この小屋を移築するための解体に9日間でできる

ということがわかっただけことで、
今後こんなことがあったときにすばやく対応ができるはず。

これに気づけて、
ほんとうに気持ち良く、今日からの解体工事を迎えることが
できたのです。

× × ×

さて、今日は、10時半に現地に向かい、
夏障子を希望される方に見て頂き、
解体工事の現場監督さんとお話しをしてきます。
  

Posted by なかてぃヨーコ at 11:03Comments(0)リアル作業日記