2017年02月05日

二年前の今日、草津市のお蔵作業日記(8)

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<2015年2月20日 8:49のfacebook投稿より>

旧暦の新年を迎え、
私の生きるステージが大きく変わった気がします。

今日から始まる小屋の解体工事を、
しずかな落ち着いた気持ちで迎えています。

× × ×

昨日は、はじめましてで来てくださった方々もいっしょに、
小学校の「昔の道具博物館」作りができました。

欠席すると聞いていた、家主のおばあちゃんが
突然、お隣のおばあちゃんと一緒に授業参観に
来てくださることになり、おばあちゃん方を送迎。

体育館の入り口に掲げられた看板の下を入ると、
場内ぐるりと、道具の展示コーナーが並び、
各コーナーで、担当の子ども学芸員の発表。

おばあちゃんたちと一緒に、
ひとつひとつ、学芸員たちの立派な説明を聞きながら、
おかあさん方に、博物館づくりの裏話をお伝えする。

子どもたちとおばあちゃんとおかあさん方と
たしかに、心が通い合い、ふるえあった、そんなひと時。

一時間だけのにわか博物館だったのですが、
終了後、3年生の先生方、今日たまたま集った4人の方々と
ほんとうにやれてよかったなぁと言葉を掛け合えました。


そのあとは、解体工事開始前日の小屋の片付け。

棟木に釘止めされた棟札を取って、家主のご主人にお見せすると、
「これは大事にしときたいなぁ」と収めてくださいました。
(大正期でなく「昭和11年5月上棟」でした~)

「古いものは一切いらない」と言っておられたご主人が
たくさんの方々が遠方からも来られ、建物や古い道具を絶賛し、
「ありがとうございます」と持ち帰る姿をごらんになって、

少しずつ少しずつ、お気持ちも変わられたんだろうなあと。

一緒に片付けした日野の女性とは、はじめましてだったのに、
地球暦のお話し会と原始機づくりを3月にやりましょう!と
盛り上がって別れました。ありがとう~!

× × ×

・・・正直にカミングアウトしますが、
私、強硬突破しようとひそかに思ってたんです。

「天変地異が起きて、小屋の周りだけ明日から8日間、嵐が起きます。
9日目には、すっかりこの小屋がなくなってきれいになっています。」

そう、ご主人にお話しして、移築のための解体工事を
強硬にやってしまおうかと。

予定していた解体工事の工期は4日遅れるけど、
母屋がすっかりなくなっているのだから、地鎮祭には間に合うはず。

この小屋が移築され、そこで新しい形で人が笑顔で集う・・・
それを見て頂けたら、ご主人も最後には納得くださるだろうと。

もやもやした気持ちを大工さんに電話でぶつけました。
「不法侵入で訴えられるのは覚悟してます」という私を、
「無謀なことはしたらあかんで」と優しく力強くいさめてくれました。

気持ちがすっとおさまって、
小屋の二階の掃き掃除してたら、膝がくずれて号泣してました。
2,3分、泣き切って、この日、
私はご主人に強行突破の話をすることなく、笑顔で別れました。

× × ×

そして、昨日、旧暦の新年。
ふと「今回は、予行演習だったのだ」という想いが湧いてきました。

そうか!
今回、移築先もぼんやりとあったのですが、
そこの建設開始は一年後。移築解体はもっと後のほうが都合がいい。

滋賀には、こんな古い小屋は、まだまだたくさんあるのだから、
きっと、一番都合がよく、移築先に最適の小屋が解体できるに違いない。

そして、今回、この小屋を移築するための解体に9日間でできる

ということがわかっただけことで、
今後こんなことがあったときにすばやく対応ができるはず。

これに気づけて、
ほんとうに気持ち良く、今日からの解体工事を迎えることが
できたのです。

× × ×

さて、今日は、10時半に現地に向かい、
夏障子を希望される方に見て頂き、
解体工事の現場監督さんとお話しをしてきます。


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Posted by なかてぃヨーコ at 11:03│Comments(0)リアル作業日記
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