2024年01月03日

トンネル抜けた 2009年11月28日07:19

ここ一月ほど、息子たちは入れ替わりたちかわり学校を休んでいた。

朝、起きれなかったり、頭痛がしてしんどかったり、
お腹がいたかったり、胸がくるしくなったり、
少しだけお熱があったり。

休まんでもいいやろーと思うこともあったが、
基本的には息子たち自身の判断を尊重し、
「休む」と言ったときには、自分で学校に連絡をさせて
(元気なときはごはんも自分で作らせて)休ませていた。

あるとき、連れ合いが言った。
「かあちゃんの言葉で息子1は自分は弱くていいと思い込んでいる。
かあちゃんがやらんとあかんのは、大丈夫だと安心させて、
学校へ行く背中を笑顔で押してやることじゃないか。」

一瞬、かちんときたけど、ほんとにそうだわと納得し、
つい先日、兄弟そろって休みたいと言い出したとき、
「大丈夫だから、学校行ってみよう」と
二人をどうにか車にのせて、保健室まで付き添っていった。

学校に到着しても、車から降りることができなくて、
見回りにこられた教頭先生が声をかけてくださり、
応援の先生を呼んでくださり、
その先生が保健室まで連れて行ってくださり、
私もずっと、二人に対応する先生方から少し離れて付き添い、
最後に、どうにかこうにか、二人を残して仕事に行った。

結局この日、途中で呼び出されることなく、
いつものように娘を保育園で拾って仕事から帰ると、
二人は最後まで授業を受けて元気に家に帰ってきていた。

これでよかったとほっとした。


・・・その後、2,3日、特に息子1の表情が明るいのだ。
なんだか、突き抜けた明るさ。
あんなに、毎日、暗い顔で、心身ともに疲れた様子だったのに。

昨日の夜、その理由を息子1に聞いてみた。
すると、こう答えたのだ。

「一日一日を乗り切れば、いつかは、辛い日も終わるんだなあ
って、そう思えたんだよ。」

・・・なんだか、悟りの言葉ですよ!
11歳にして、この境地。ブラボー、息子よ!



実は、息子1は音楽の授業がきらいなのだ。
今年度、音楽を教えてくださっている先生のやり方が合わないらしく、
徹底して、先生のやり方に反発しているようだ。
それで、1学期の音楽の成績は、とびぬけて悪かった。

今日は、音楽の授業がある・・・と思うだけで、
いろんな思いが頭をぐるぐる巡り、苦しくなったんだろう。
(苦しくなるものは他にもいくつかあるらしい)


私はその話を聞いていた。だから、

先日学校の玄関に迎えに来てくれて、保健室で息子たちの話を
聞いてくれていた先生が、
「息子1くん、2時間目は音楽の授業だから教室でまってるね」
と、保健室から去っていったとき、

うわあ、あの先生が、音楽の先生だったのね

と同時に、

今、息子1は、どんなに辛い状況だろう・・・と思った。

とっさに様子を見たが、彼は動揺している風ではなかった。
しかし、「なんでこんな最悪な展開になったんだろう」
と頭の中に思いはぐるぐる巡っていたに違いない。

「逃げても、苦手なものは追っかけてきて逃れられない」
ということも悟ったのだろうか。



ともかく、彼は、一皮むけた。

そして、
「にいちゃんばっかり、休んでずるい!!!」
と主張していた息子2も、落ち着いた。


今回の少しだけ長いトンネルは、ようやく抜けられた気がします。

おしまい




^^^^^^^^^^^^^^^^
コメント こもりはる2009年11月28日 10:35
そうだったんだね。。
あまりのシンクロぶりにビックリすると同時に、
色んな人のサポートを受けながら、自分の力で、長いトンネルを抜けることが出来た息子くん、本当に良かったね^^

私も・・息子が自分で気づくことが出来ることを信頼して、これからの日々をどう過ごしていくかを、もう一度考えてみようと思います。

ありがとうm(_ _)m

コメント ごりせん2009年11月28日 12:49
自分でトンネルを抜けたこの経験が大事なのですね。
元プロとしてはただただ感心しています。
にゃかてぃさんもアイロンさんも急がず時期の来るのを待ってあげたのがいいなぁ。

そして、背中を押してあげてそれがよかった。

一言・・・学校は辛いところではなく、楽しい所でありたいですね。

コメント みゆき2009年12月03日 14:27
友人Hです。久しぶり。

不登校と引きこもりは、年齢が高くて発症するほど、長引くほど
治るのが困難になるといいますが、ごりせんさんのご意見に全く同感。

確かに、今回、背中を押してあげなかったら、こじれて、もう少し長引いていたかもしれませんが、でも、やはり、にゃかてぃさんが、疲れ切っていた彼らを全面的に受け入れて、羽を休ませることは、やはり必要なことだったと思いますよ。そして、長引きすぎないタイミングで、背中を押してあげたのがよかったのだと思います。

それにしても、息子1くんの悟り、恐るべし。感服しました。

コメント ようちゃん2009年12月07日 16:58
みなさま、コメントありがとうございます。

実は、このあと、さらなるトンネルを通過したのでした。

あまりの息子1の明るい表情に気が抜けていました。
明るい表情に至った重要な要因に私は気づいていませんでした。

週明け、再び、学校にいけない息子たち。
車に乗せて学校まで運び、息子2は先生に連れられて教室へ。
息子1は、とりあえず、保健室へ同行しました。

先日は、幼稚園の園長あがりのおばあちゃん先生が、
息子1の吐露を受け止めてくださっていたのです。

音楽の先生から電話があり
「息子の話をじっくり聞いてやってほしい。
K先生(おばあちゃん先生)には話ができたようなので、
時間があればK先生と一度お話ししてみてほしい。」
と伝えてくださっていたのに、息子1と二人で話をする時間は
全くとれなかったのでした。

そして、再び、息子1の心は閉ざされたのでした。

その日は休みだったので、とにかくK先生と息子と一緒に
じっくり話を聞かせていただくつもりで保健室に入りました。

2階の狭い相談室に通され、3人で1時間以上過ごしました。

私は、固く冷たい息子1の背中をずっとさすり続けました。
「息子1くん、お話していいかな?」というK先生の
問いかけに、息子1は深くうなずき、先日の話を聞きました。

忙しすぎて時間が足りないのだそうです。
朝早く登校し、学校から帰って、犬の散歩、宿題・時間割り、
食事の準備、片付け、妹の世話・・・。
最近はゆっくり一人で寝たいと子ども部屋で一人で寝ていますが、
夜遅くまで眠れないそうです。

「どうしたらいいと思う」という先生の問いかけに
「みんなで(仕事を)わけたらいいと思う」と答えたそうです。

息子1は、妹や弟と全く反対で、いつも自分のことを後回しに
するのです。ほんとうにやさしい子です。だから、不満が自分の
中にたまってしまうのです。

先生にお話しできたことで、少し楽になれたのでしょう。
息子1の明るい表情は、先生への吐露のおかげだったのでした。

そして、再び、不満が心の中いっぱいになり、あふれてしまったのです。

背中をさすり続けても、息子から言葉はなく、
出るのは、声なく滴る涙だけでした。

つづく

ようちゃん2009年12月07日 19:55
それでも、先生が息子の手を握って、
「おかあさん、ほら。さっきは凍るほど冷たかった手が
あったかくなった。先生の手のほうが冷たいかも」
と言ってくださるほど、血が通い始めた。

「3時間目から授業に出てみようか?」とおばあちゃん先生は
声をかけてくださったが、息子の様子を見て、
「先生、勝手なことですが、息子とデートする時間を
いただいていいですか。二人きりで話す時間が全く作れなかったんで。
せめてあと1時間。4時間目の授業には行けたら行くようにしますんで」
と申し出た。

先生は「ああ、そうですね。それがいいねえ、息子1くん。」
その言葉に深く強くうなずく息子1。

それで、二人で学校近くの公民館横の作業所さんがやっている
喫茶店に入った。
ホットミルクとホットコーヒー、そして手作りクッキーを注文。
テーブルでなく、窓際のカウンターに横並びで座って、
二人っきりのデートな時間を楽しんだ。
(他の客は皆無。時々知的障がいのある方が
奥の作業場から近くまでやってきただけで、ほんとに二人っきり。)

そして、ようやく息子の言葉が出るようになってきた。

最後の最後に「6時間目の委員会に出ると怒られるからいやだ」という
言葉が出てきた。宿題になっていた日課表の作り方がわからず、
何にもできていない。きっと先生に怒られる。
それが学校に行きたくない一番の要因だったようだ。

「委員会に出たら、(先生に怒られて力がなくなって)
もう二度と家には帰ってこれないと思う。」

「息子1、そんなときは、起こられる前に先に頭をさげて謝るんよ。
「先生、やり方がわからなくてできませんでした。ごめんなさい」って。
「なぜやり方を聞きにこなかった」とか先生にいろいろ言われるだろう
けど、それは、息子1も悪かったんだから、とにかく謝るしかない。
それで罰を受けるんだったら受けるしかない。
でも、できないことは、人間必ずあることなんだから、
気にすることはない。隠すことでもない。堂々と謝ってきなさい。
それで、息子1が撃沈して帰る力がなくなったら、学校で倒れてなさい。
かあちゃんは絶対に迎えにいくから。」
「・・・・・」
「さあ、覚悟して行ってきな。骨はいつでも拾うからね。
あ、もう4時間目の始まる時間だ。行こうか」
「うん」

つづく

ようちゃん2009年12月07日 21:01
このつづきは、何度書いても消えてしまうので、手短に。

結局、息子1は、この日、自力で帰ってきました。
「先生は怒らなかった。10分くらい説教しただけですんだ。
明日、先生のところにやり方を聞きに行くことになった。」
と言ったあと、布団に倒れこんでました。

その後は、今のところ、毎日学校へ行っています。

・・・トンネルを抜けた!と油断は大敵。
トンネルを恐れず、中にいることを楽しむくらいの心持ちで
いるのが、大切なんだよなあと改めて気づかされたのでした。

おしまい

追伸
今、息子1に、件の日課表の進捗状況を確認してみたら、
「仲間と意見があわなくて、まだ完成していない」とのこと。
まあ、せいぜいがんばってくれたまえ、息子1よ。


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