2015年06月16日
「森の聞き書き甲子園」勉強会に参加しました!(2)
「森の聞き書き甲子園」勉強会に参加しました!(1)
からつづく
『森の聞き書き甲子園』の様子をまとめた
NHKのドキュメンタリー番組「森の出会い~日本“聞き書き甲子園”~」
http://www.nhk.or.jp/asianpitch/lineup/index1001.html
を、講演会の中で見ることができました。
世の中の不穏な空気を感じ、思春期のいらだちと葛藤しながら、
自分の将来にも思い悩む高校生たち。
「聞き書き甲子園」にエントリーし、
自分の曾祖父母とも同じくらいの年齢の人生の大先輩のお宅を訪ねます。
自然の中で暮らし抜いてきた知恵と技をもつ人生の大先輩。
種を継ぐためだけに、
好きでもないのに60年以上も毎年、焼畑を続けるおばあちゃん
木から木へ飛び移れなくなって、
目の前で現役引退を決める、杉の種取り師のおじいちゃん
山に入ったその日から、
家族や好きな人のことを思い出して山仕事を続けるんだと語るおじいちゃん
そんな、自然の中で暮らし抜いてきた知恵と技をもつ人生の大先輩に、
テープレコーダーを片手に、いっしょに時間を過ごし、語り合う中で、
魂の交流とでも呼べる、深い時間を過ごしていきます。
その言葉を全て文字に起こし、向き合っていく中で、
人生に向き合う姿勢が変わっていく。
そして、どんな職業に就こうとも、
人生のあちこちで、大先輩の言葉を思い出して、気づかされる瞬間があるんだろうと。
「聞き書き甲子園」の仕掛人・澁澤寿一さんが、
この番組の制作秘話を語ってくださいました。
NHKに、ドキュメンタリー番組を作ってほしいと何度も売りこんだそうですが、
「高校生が、その名人と話ができるわけがない」と、
まったく相手にしてもらえなかったそうです。
NHKの人たちも、森の名手・名人を自ら訪ね、取材したこともあり、
自分ですら、なかなか会ってくれない、口を割ってくれない相手を・・・と
思ったようです。
#この番組を作ったのはシンガポールの方だったとのこと。
実際には、「聞き書き」の極意を学んだ高校生だから、
名人たちも心を開いたんだと思います。
そして、そこで奇跡の魂の交流が起きたのでしょう。
人生の大先輩たちの変化は、番組ではあまり描かれてませんでしたが、
今まで他人にさらしたことのない姿、語ったことのない言葉を
真剣に受け取ってくれる若者と出会ったことで、
生きる心持ちが変わったことだろうと思います。
自分の人生を伝える相手がいる・・・ということは、
生きていてよかったと自分の人生を認めることになると感じます。
× × ×
澁澤さんは、日本は戦後の高度経済成長を経て、
”それまでとまったく違う国になった”と語られました。
私もそう実感します。
聞き書き甲子園に登場する人生の大先輩方は、
いま、残された数少ない、「それまでの日本」を生きてきた方々だと思います。
そう、
ひとは、自分・今の家族だけのために生きているんじゃない。
先代から譲られたものを受け継ぎ、
それを活かして、与えられた人生を生き抜き、
次代へそれを受け継いていく。
森づくりは、まさにそういう仕事。
自分が手をかけたことの恩恵は、直接、自分には返ってこない。
先代が育ててきた木を伐って、お金にして、
次代のために、森の手入れをして植林をする。
それは、やりつづければ、
幾世代にもわたって、生き抜く糧になるけれど、
一度、放棄すれば、その糧を、次代以降の子孫は得ることができなくなる。
前・今世紀を生きる私たちは、
そんなことを、世界中のあちこちで、やりちらかしてきてしまった。
一番大事なことは、
目に見えることでもなく、お金で手に入れられることでもない。
私は、そう改めて確信しました。
・・・次に、地域再生の「肝」に気づかされた「昭和大津波の復興計画書」
のお話を紹介します。
「森の聞き書き甲子園」勉強会に参加しました(3)
からつづく
『森の聞き書き甲子園』の様子をまとめた
NHKのドキュメンタリー番組「森の出会い~日本“聞き書き甲子園”~」
http://www.nhk.or.jp/asianpitch/lineup/index1001.html
を、講演会の中で見ることができました。
世の中の不穏な空気を感じ、思春期のいらだちと葛藤しながら、
自分の将来にも思い悩む高校生たち。
「聞き書き甲子園」にエントリーし、
自分の曾祖父母とも同じくらいの年齢の人生の大先輩のお宅を訪ねます。
自然の中で暮らし抜いてきた知恵と技をもつ人生の大先輩。
種を継ぐためだけに、
好きでもないのに60年以上も毎年、焼畑を続けるおばあちゃん
木から木へ飛び移れなくなって、
目の前で現役引退を決める、杉の種取り師のおじいちゃん
山に入ったその日から、
家族や好きな人のことを思い出して山仕事を続けるんだと語るおじいちゃん
そんな、自然の中で暮らし抜いてきた知恵と技をもつ人生の大先輩に、
テープレコーダーを片手に、いっしょに時間を過ごし、語り合う中で、
魂の交流とでも呼べる、深い時間を過ごしていきます。
その言葉を全て文字に起こし、向き合っていく中で、
人生に向き合う姿勢が変わっていく。
そして、どんな職業に就こうとも、
人生のあちこちで、大先輩の言葉を思い出して、気づかされる瞬間があるんだろうと。
「聞き書き甲子園」の仕掛人・澁澤寿一さんが、
この番組の制作秘話を語ってくださいました。
NHKに、ドキュメンタリー番組を作ってほしいと何度も売りこんだそうですが、
「高校生が、その名人と話ができるわけがない」と、
まったく相手にしてもらえなかったそうです。
NHKの人たちも、森の名手・名人を自ら訪ね、取材したこともあり、
自分ですら、なかなか会ってくれない、口を割ってくれない相手を・・・と
思ったようです。
#この番組を作ったのはシンガポールの方だったとのこと。
実際には、「聞き書き」の極意を学んだ高校生だから、
名人たちも心を開いたんだと思います。
そして、そこで奇跡の魂の交流が起きたのでしょう。
人生の大先輩たちの変化は、番組ではあまり描かれてませんでしたが、
今まで他人にさらしたことのない姿、語ったことのない言葉を
真剣に受け取ってくれる若者と出会ったことで、
生きる心持ちが変わったことだろうと思います。
自分の人生を伝える相手がいる・・・ということは、
生きていてよかったと自分の人生を認めることになると感じます。
× × ×
澁澤さんは、日本は戦後の高度経済成長を経て、
”それまでとまったく違う国になった”と語られました。
私もそう実感します。
聞き書き甲子園に登場する人生の大先輩方は、
いま、残された数少ない、「それまでの日本」を生きてきた方々だと思います。
そう、
ひとは、自分・今の家族だけのために生きているんじゃない。
先代から譲られたものを受け継ぎ、
それを活かして、与えられた人生を生き抜き、
次代へそれを受け継いていく。
森づくりは、まさにそういう仕事。
自分が手をかけたことの恩恵は、直接、自分には返ってこない。
先代が育ててきた木を伐って、お金にして、
次代のために、森の手入れをして植林をする。
それは、やりつづければ、
幾世代にもわたって、生き抜く糧になるけれど、
一度、放棄すれば、その糧を、次代以降の子孫は得ることができなくなる。
前・今世紀を生きる私たちは、
そんなことを、世界中のあちこちで、やりちらかしてきてしまった。
一番大事なことは、
目に見えることでもなく、お金で手に入れられることでもない。
私は、そう改めて確信しました。
・・・次に、地域再生の「肝」に気づかされた「昭和大津波の復興計画書」
のお話を紹介します。
「森の聞き書き甲子園」勉強会に参加しました(3)
Posted by なかてぃヨーコ at 13:02│Comments(0)
│森の聞き書き2015